家の壁や柱をリフォームする時に知っておきたいシロアリ駆除のこと

ヤマトシロアリのハネアリがあちこちでいっせいに巣から飛び出すのは4月終わり頃です。外出先から帰ってみると羽だけがたくさん落ちていることで分かることもあります。そのシロアリ、家のリフォーム中ならちゃんと出来る駆除が、完成後は十分に出来なくなることがあるってご存知でしたか?家の床や壁、屋根をリフォームする前には必ず知っておきたいシロアリ駆除のことについてお話します。

ヤマトシロアリのハネアリのピークは毎年ゴールデンウィーク中ですが、ここ数日気温も20度を超えて暖かくなりましたので、「ハネアリが出てビックリした」というシロアリ駆除やハネアリについてのお問い合わせ電話をいただくことが多くなりました。

大きさは5mmから8mm位で色は胴体が黒っぽいヤマトシロアリのハネアリがその正体なのですが、お問い合わせをいただくお客様の中にリフォーム工事をして未だ半年や一年という家や、畳の入れ替えをして一年も経たないというお宅様があるのにはビックりさせられます。何故、そんなことになるのでしょうか?

シロアリ駆除をしたのに羽アリが出る?

(ヤマトシロアリのハネアリはこうやって出るという一例を動画にて。話し声はすみませんがご容赦ください。)

改築の時にシロアリがいたということはリフォーム業者から聞いていたので知っていたけど、「シロアリ駆除はやりました」と、リフォーム業者から聞いていたので自分の家はもうシロアリ駆除は済んでいるものと思っていた。

シロアリのハネアリが出て初めて、当時のリフォーム業者にもう一度「シロアリ駆除は本当にしたんですか?」と、聞いてみるけどやっぱりシロアリ駆除はしたというんです。」

お客様は当時のことを思い出しながら私ども、シロアリ駆除業者にお話ししてくださいます。リフォームのあとからシロアリが出てしまっては折角のリフォームが台無しになってしまうこともあります。特にシロアリは改築した新しい木材や、畳の新床や表替えに使う新しい藁(わら)を好んで食べる習性があります。

タンスの下にシロアリが!新しい畳もボロボロに

家具を移動したらシロアリが畳の上にいたというケースです。被害部のみは古く見えますが、動画に出てくるお宅様の畳もちょうど一年位しか経っていない新しい畳がボロボロになっている例です。

これからの説明はヤマトシロアリでお話しするのですが、この動画は別の種類のイエシロアリの被害例です。しかし、新しい畳やタンスにも食害するという点ではヤマトシロアリも被害例は同じように現場で見ることがたくさんあります。新しい畳や家具の被害をより分かりやすくするためにこの動画を掲載いたしました。

リフォーム見積にシロアリ駆除費用が入っているか項目チェック!

何故、このようなケースが起きるかということについていくつか検証してみたいと思います。リフォームの時を思い出しながら当時のことを、お客様にもお話していただくのですが、リフォーム業者さんが「シロアリ駆除はサービスでやっておきます」という話だった。という例もあります。シロアリ駆除をリフォーム業者さんが重要視していない場合の例です。

サービスであっても施工するなら項目に入っているはずなので、見積書の確認をした方がよいでしょう。

シロアリ駆除を何かのついでにやってしまおうという気持ちはわかりますが、シロアリの被害を受けた家を見るたびに、シロアリ駆除業者の私どもはシロアリ駆除は「何かのついでにできる仕事ではなく、知識と経験が必要な仕事内容なんだけどなー」と思います。

リフォーム業者や大工さんはシロアリの専門家ではない

(写真はイメージです。本文とは関係ありません。)

大工さんは建物の部材を切ったりつないだりする専門の仕事で、一軒の家を建てたり修繕をしたりと見事な仕事をされます。この記事を見ている方の中にも、家のことなら長く付き合っているかかりつけの信頼できる大工さんがいるという方も多いと思います。その大工さんを悪く言うつもりは全くありませんし、私たちも大工さんに仕事を頂いてもいますのでシロアリ業者と大工さんは切っても切れない仲です。

しかし、大工さんにシロアリ業者と同じ作業や知識を求めるのは無理な話です。私達、シロアリ業者に大工さんの仕事を任せるのも無理なことです。大工さんとシロアリ業者とでは専門性が違いますので餅のことは餅屋に聞けのことわざ通りです。大工さんとシロアリ業者の違いは病院で言えば外科医と内科医と例えていい位に違います。シロアリ業者は内科医で大工さんは外科医さんです。

話がそれましたが、リフォーム中に大工さんがシロアリがいないと判断されて、見過ごされるケースに「木材の水腐れ(みずぐされ)」があります。シロアリの生息はないので湿気で木が腐っているだけだから、新しい木材と取り換えればもうそれで終わりということもあるようです。

水腐れの木材とシロアリ被害を受けた木材では似ている場合もありますが違います。

他には、改築している時目の前の柱や畳の裏側にシロアリがいても「これはシロアリじゃないよ!ただの虫よ!」と言う大工さんがいたりもします。シロアリのことを知らなさ過ぎます。

ひどいケースになると、床を補修や改築をしている最中にシロアリが見つかった場合でも、シロアリの生息に気づいていたにも関わらず、シロアリをそのままにして腐った木を入れ替えているケースを見たこともあります。

シロアリ業者の私どもがビックリして、「あっ、それシロアリをそのままですよ?」と聞くと、「いいんよ、シロアリがおった方がまた2~3年したら家主さんから「修理してくれ」と仕事がうちにくるやろ?」と言われるのです。

私達もリフォーム業者さんと取引もありますし、取引の大工さんもたくさんおられますので悪く言いたくはありませんが、ごくまれにそんな方がおられます。真面目にやっているリフォーム業者さんや大工さんが聞くと怒りだしそうな話ですが、これまでに何度かそんな業者さんとお目にかかったことがあります。

シロアリ駆除は家のリフォームが済んだあとでは出来ない?

家のリフォーム作業のなかで、床や壁を剥いでいる時にシロアリが生息したり巣を作っていることが分かっていれば、その時に十分なシロアリの駆除も可能ですが、あとからとなると十分なシロアリ駆除が出来ない場合もあります。

その他、お客様も折角高いリフォーム代金を払ってやり替えたのにシロアリ駆除の為とはいえ新しい床材や壁板をはいだりすることに、初めのうちは納得なさらない場合もあります。お気持ちはよくわかります。

お風呂場の場合

洗面所から風呂場の入り口の所がシロアリ被害を受けていてシロアリのハネアリが出る場合や、床板から1メートルくらいの高さの所からシロアリのハネアリが出た場合は、パッと見で見えない奥の方にシロアリが生息しているとみてまちがいありません。そうなると、床下に入っての処置はもちろんですが、場合によっては壁を剥がしてシロアリ駆除が必要な場合があります。

シロアリの生息の巣が見えない奥の方なので、壁板を剥がしてシロアリの駆除の為に薬剤を注入したり噴霧をする必要があります。と、説明するとほとんどの方はご納得していただけますが、なかには新しい部材なので剥ぎたくない、と言われてご説明に時間のかかるケースもあります。これも改築、リフォームの時なら容易にシロアリ駆除が出来る話です。

床高がない転ばし床の場合

転ばし床とは、通常は床下の高さが地面から40~50㎝はあるのですが、床高の確保が出来ない場合はコンクリや土の地面に直接タルキや大引きを置いてその上に床板を乗せて作る床組みのことです。人が床下に入るのは高さがないので出来ません。そういう場所からシロアリのハネアリが出た場合は、見えない根太や大引きに薬剤を注入してシロアリ駆除をしなくてはいけません。

床下が狭いなどの理由で人が侵入できない所から、ハネアリが出てシロアリがいると分かった場合は、どこから、どこまでシロアリ被害が出ているのかは見えていませんので分かりません。シロアリ駆除の専門業者ですから大体の見当はつくのですが、ヤマトシロアリは20匹から30匹のコロニー(集団)でも新しい巣を形成するといわれていますので、見えない床下に見当で処理をするということは薬剤が届かないシロアリ達も残る可能性は出てしまいます。

シロアリ被害や生息がまだない状態の時の処理であれば吹付処理で済む場合もありますが、ヤマトシロアリが生息してしまったあとでは、木の表面にシロアリの薬剤を吹き付けても対象のシロアリは木の中にいるのですから、シロアリは死なないということもあり得ます。

リフォーム費用は高額です。家を保護する為のシロアリ駆除は必須

家のリフォームは数十万円から数百万円。中には一千万円近くの高額な費用を投じてやる、一大イベントです。折角の大金を投じた家のリフォーム工事なのに取り替えた新しい木材に早々とシロアリが入って床や柱、壁の奥でボロボロに食われては大変です。高級車にはそれなりの保険に入ったりして備えると思います。

改築という高額のお買い物です。見合った保険と言ってはおかしいかもしれませんが、改築時の保険と思ってシロアリ駆除や予防の消毒は必要だと思います。

シロアリ駆除で失敗しない業者選び

シロアリ駆除は家のリフォームをすることがあったら必ず専門のシロアリ駆除業者にやってもらった方がいいのはわかった。でも、今回ハネアリが出てしまったのはどうしたらいいの?という質問もありそうです。もちろんシロアリ駆除をせずに放置しておけば更にシロアリ被害は広がりますので処置は必要です。

業者の見積もりは必ず数社とりましょう

シロアリ駆除施工の見積金額も、技術レベルも、使用する薬剤も各社バラバラです。しっかりと見比べて決めるようにしましょう。ハネアリが出たということはシロアリが家を食べているということで早く駆除した方がいい話ではあります。でもこの際です。なってしまったものは仕方ありませんので落ち着いて、シロアリ駆除を依頼する業者を決めましょう。1週間や10日で家は倒れません。

金額が高すぎたり安すぎたりする時は注意しましょう

シロアリ駆除金額が高すぎるのは要注意ですし、逆に安すぎるのも契約後に追加の商品を次々に売り込まれる可能性があるかもしれませんので、これまた要注意です。また、安すぎるところは専門性がうすい?わかりやすく言えば、仕事が下手で自信がないのかもしれません。

鍵が専門の業者さんなのにシロアリ駆除の見積もりに来た。という例もあります。最近流行のネット集客だけに特化している業者と、実際の現場で仕事をする業者が違うという場合もあります。良い業者に当たればいいですが、そうでない場合もあるかもしれません。

シロアリ駆除の方法(内容)をしっかりと聞きましょう

「ハネアリが出ましたか?広さはこれだけありますので、シロアリ駆除費用はこれだけです。」と、金額の説明のみで工事内容をほとんど言わないシロアリ業者さんもおられるとお客様から聞くことがあります。

どういう施工方法なのか?それが、現在の自分の家のシロアリを駆除して今後も安心できそうな施工内容なのか?狭いなどの理由で床下に入れない場所がある場合はそこの駆除方法は?家の外回りから基礎の上の土台の処理は可能かどうか?万一再発生した場合はどうなる?この辺は各社の見積もり担当者に聞いておきたいところです。

シロアリ駆除後の保証は?

賠償付き保証もシロアリ被害が出たあとでの駆除施工の場合は保険会社が認めていない場合もあります。

  • 施工後の保証は何年になっているのか?
  • 大抵は5年が多いのですが保証書という書面で出してくれるのかどうか?
  • 賠償付き保証になっているかどうか?

シロアリ駆除業者が「うちは賠償保険付き保証です」と言っても、いざ保証期間中にシロアリが再発生した場合となると、賠償の対象かどうかを決めるのはシロアリ駆除業者ではなくて保険会社さんです。

保険会社さんの方で「このシロアリ被害は以前からのものなので修理の対象ではありません。」とか、「今回のシロアリ被害は雨漏れがあったために甚大なシロアリ被害になっている。雨漏れの放置はお客様が行うご自身の家の維持管理の瑕疵(欠点)なので今回のシロアリ被害の修復費用は一切出せません。」ということもあります。

賠償保険付き保証がある、だから安心とはならないのです。

まとめ

リフォーム時や改装時であればどうってことのないシロアリ駆除ですが、あとからになると十分な処置が出来ない場合もありますので、改築の時にシロアリ駆除はぜひ行ってください。材料の木材も無限ではありません。改築するとなると新たに木を切ってきて材料を確保する必要も出てきます。地球環境的にも資源である木材を少しでも長く維持させることは地球環境にも関係してきます。改築の時にシロアリ消毒をしましょう。