2024年3月22日㈭、兵庫県西宮市に本社を置くイタチ駆除業者“アスワット”代表の福永氏と弊社事務所でお会いさせて頂きました。
2月頃から私、岩永より「一度お会いさせてください。」とオファーをさせて頂いていましたところ、福永氏の方から「では北九州市小倉でお会いしましょう。」と快諾を頂いたことには恐縮しました。
私の方から持ち掛けた面談依頼にわざわざ兵庫県西宮市から福岡県北九州市まで来て頂くというのはとても心苦しい限りで丁重に「私が兵庫県に伺います。」と話しましたが結局お言葉に甘えさせて頂きました。
今日は福永氏との面談させて頂いたことを少しお話させて頂きたいと思います。
“アスワット”代表福永氏の第一印象
新幹線の小倉駅で迎えた福永氏の第一印象は「なかなかおっさんやな~(笑)」という印象でした。ホームページでいつも見ているせいで私の「福永像」がありましたのでそう感じたのでしょう。
若く「シュッ」としているかと思いきや、ちょっと違うそんな第一印象ではありましたが、挨拶で言葉を交わした辺りから実体験での経験を重ねた自信とそれでいて丁寧な言葉に感心しました。
話してくれる福永氏の印象を例えて言うと、現場の最前線で日々の仕事でぶつかる壁と全力で戦いながら成功を収めた人のドキュメンタリー番組、NHKの「プロジェクトX」に出てくる人を思わせる印象でした。
彼が話してくれる言葉と同時に私の耳元にはもう一つ小声で「エーックス!エーックス!」と聞こえている気がしました。(褒め過ぎかな・・)
彼も私のことを口には出しませんでしたが、「岩永さん、頭剥げまくっとるやん!」と思ったことでしょう。何しろ私もホームページに載っている写真から随分時間が経っている現在ですので・・
福永氏を“あい営繕”に迎えて
早速弊社本店の事務所や倉庫を弊社の部長吉元と二人で案内をします。
何しろ福永氏は兵庫県はもとより大阪府などの近隣県関西のイタチを含む小動物の駆除業者として本物を追及している業者“アスワット”の代表です。
天井裏に侵入する小動物のイタチやアライグマを対象の仕事のノウハウや本人の仕事に対する熱い思いを記した「害獣駆除アスワット奮闘記」はお客様だけでなく同業他社も教科書にして学習することさえできる現場の実践記事の執筆者です。
とはいえ我が社“あい営繕”も福岡県や近隣県でイタチ駆除をはじめとするシロアリや害獣駆除・鳥害対策を総合的に専門とする業者として自負があります。
福永氏に我が社はこういう器具を使用して管理している倉庫はこのようにしていると専門的なことを交えて自己紹介代わりに見てもらいます。
現在、私岩永は現場の仕事から遠ざかっていますので弊社の部長吉元と二人で案内をさせて頂きました。
社長として会社経営のことなら笑える失敗談やちっちゃな成功談を交わすことは出来ても、「現場の今」となると私よりも吉元の方が詳しく専門的であるために二人で対応したようなわけでした。
そして事務所での面談です。
憂うべく現在の害獣駆除業界
事務所にて福永氏と我々害獣駆除業界の現状とお互いが抱える問題の話をさせて頂きました。
そもそも平たく今回の面談の目的を言えば、あい営繕の私岩永がアスワットの代表福永氏に「イタチ駆除の現場で研修をさせてもらえないでしょうか?」という打診が始まりでした。
結論から言えばその話はお断りでした。彼も今後害獣駆除の仕事のすすめ方をこのようにしていきたいとビジネスモデルのビジョンを持っていて今の段階で弊社と技術レベルの共有は出来ないということでした。
こちらの申し込みを断るのにわざわざ兵庫県西宮市から福岡県北九州市まで来てくれたのですから真っすぐ律儀な男です。弊社を見てみたいという気持ちが福永氏の中にあったのもあるでしょう。
害獣駆除業界のレベル
福永氏や私岩永が身を置いている害獣駆除業者の業界周囲を見渡すと決してレベルが高いものとは言えません。害獣駆除業界というよりはシロアリを含む害虫・害獣駆除業界とでも言いましょうか。
福永氏は自身を「イタチを含む小動物の駆除業者」と位置付けているようですが、私や私共あい営繕はシロアリ駆除やイタチを含む害獣駆除業者として活動しています。
ずいぶん前に、シロアリ駆除や床下点検の訪問販売による悪質商法の問題が取り上げられ話題となった時期がありました。
自分たちとは関係のない業界のわずかな連中がお客様を欺き、不要な商品を次々に売りつけ、判断能力のないお年寄りの方に高額商品の売り込みは同じ業界に身を置くものとして目を覆いたくなる行為で肩身が狭くなる思いがしました。
当時の彼らはお客様に選ばれる業者になろうとか、事業の理念とか、世の中の役に立とうとか、技術レベルを上げようとか、商品知識をより深めていこう。ということより、自分がお金を儲けようだけだったのではないかと思います。
福永氏曰く、現在の害獣駆除業者の中にはそんな業者や個人がいることがとても残念だと言うのです。私もまったくそのことに同感するところでした。
害獣駆除業界の料金設定
天井裏や壁や床下に侵入したイタチやテン、アライグマ等を追い出して再侵入を防止するという害獣駆除料金は決して安いものではありません。
ここには床下のみを駆除するために薬剤を散布したり注入するシロアリ駆除料金のように坪あたり○○円や平米あたり○○円という画一的な料金体系が存在しません。
建物の害獣駆除料金もどうにか画一的なものを設定して、お客様や見る人が「ここの表示はこのようになっているから我が家の場合はこれくらいの駆除料金になるんだな。」と出来ないかと私岩永も考えています。
しかし、実際の害獣駆除の現場はどうかというと、ある程度の目安はあっても追い出す方法や使用する器具も変わってきます。というよりそれぞれの現場でも違ってくることもしばしばです。
また封鎖する穴の場所・大きさ・使用する器材や薬剤・高所であれば時間もかかります。また再侵入の無いように丁寧な作業が求められます。そうしたことを画一的に出すのはなかなか難しいものがあります。
ただ唯一あるとすれば現地の見積もりにお伺いした担当スタッフによる念入りな侵入箇所のチェックにより、必要な作業の基本的な料金、工数や工程、日数を割り出して料金の設定をさせて頂くというものです。
ところがそこまで詳しく説明をしていると思われる害獣駆除業者は少なく、インターネット上に載っているのは「今ならお申込み後契約なら2割引き!」や「最長10年保証!」という吊り文句の先行です。
害獣駆除後の保証の中身
「害獣駆除後は最長10年の保証!」という表示を見たことがあります。同業者としてアスワットの福永氏も私、岩永も「凄いなー、長期の保証をお客様に提供できて。」「真似はできない!」と言いたいところですが少し違います。
10年保証は自分たちが作業した箇所がイタチ等の害獣に壊されて再侵入となったら無料で作業します。その他の自分たちが気付かず未施工の部分からの侵入は有料ですというもののようです。
また、作業したあとに建物の経年劣化により弱くなった箇所を動物に壊されたり破られたりした箇所も有料ということのようです。全部ではないでしょうがこれが最長10年保証でよく聞く保証内容です。
その他はそもそも10年保証と言っているが現場で「お宅の家は10年出来ませんので5年です。」や3年、1年への移行。更には保証はしませんという例も聞くこともあります。
アスワット福永氏と考える害獣駆除業界の今後
福永氏と考える害獣駆除業界の今後と書くと、大層なイメージですが私岩永は漠然と思っているようなことも福永氏は明確に持っていることにはビックリしました。たいした男です。
害獣駆除業者の規模は1人でやっている業者もあれば数十人規模の全国区でやっている業者もいますが、現在の業界レベルのままでいくと淘汰されてしまい生き残れるのは極わずかしかないのではという憂いです。
お客様ファーストで仕事をし、お客様から選んで頂けるようにそれぞれの業者が、嘘や偽りのないクリーンなイメージを持ってもらえ競い合うような日々の研鑽。
経営ですので当然のことながら利益の追求をして事業内容の充実。
過去、町の電気店さんが良い面では地域密着で、悪い面ではなあなあでやっていた経営が巨大資本による低料金の価格競争やインターネットやテレビショッピングによる競争。
需要の変革の中で町の電気屋さんが大きく飲み込まれてしまった時とこの業界の今が似ていると彼は危惧していました。
アスワット、福永氏からの学び
とことん追求するという福永氏からは2時間と少しのわずかな時間でしたが大変勉強になる時間でした。
また現場の仕事の話ですが、イタチやアライグマ駆除作業をさせて頂いたお客様宅で、イタチ侵入口を封鎖したりする段階でイタチが未だ建物に残っていたというお恥ずかしい事例が福永氏にもあるということでした。
当然弊社でもあるお恥ずかしい失敗事例なのですが、その失敗事例に対しても彼は弊社以上にどん欲に対処していることが分かりました。
暗闇でも動物侵入が分かるトレイルカメラというものがありますが、これはコマ切れにしか見ることが出来ません。
一瞬しか横切るところが映らないトレイルカメラではお客様宅にイタチの閉じ込めや再侵入があったかを更に知るには24時間カメラを設置するというのです。
それを数倍の倍速にして目を皿のようにしてチェックして見つけ出すことがあるといいます。(参りました!)
福永氏と面談を終えて
アスワットの福永氏との面談で彼やアスワットさんの良い面で感じたことを書きましたが、もちろん弊社あい営繕がこの部分は優っているなと感じるところはもちろんありました。
今後はお互いが切磋琢磨してお客様から選んで頂ける害獣駆除業者となれるように努力することを約束し面談を終えました。
実に有意義な時間でした。
また、あとから小倉訪問のお礼の手紙をくれるという本当に律儀で頭が下がる男でした。「福永社長どうもありがとうございました。」
土産に持って帰ってもらった明太は「関西で食べるよりうまかったよ!」と手紙でお礼を言ってくれました。
一緒に持たせた小倉のぬか炊きは、酒も嗜むと言っていた福永氏なので喜んでくれるといいなー。